母の約束

生前、元気な時に母と約束したことがある

逝ってしまったら絶対私に会いに来て 
でも白い着物で暗闇や枕元に立つのは止めて
怖い出方はしないでね
母さんだと判るような出方で会いに来てね
勝手な約束だが
「はいはいわかったよ 乗り移っちゃうぞー」
ふざけながら答えていた母

毎年、お盆には好物を供え迎え火をして
帰ってくるのを将軍と待つ
気のせいか夜になると風呂場が騒がしい気配がする
母が戻ってゆっくりお風呂に浸かってるのだろうか
それから夜遅くもう一度沸かすようにしている

年に一度ほど夢の中に会いに来てくれる
手をつないでいた
その感触が目覚めてからも忘れられず余計に寂しくなる
いい歳をしてと思うが続けて出てくれないかと願う時もある

歩くのが好きだった
トレッキングシューズでハイキングへ行き
ヨモギを摘み帰りお団子を作っていた姿を想い出す

昨年、入院した時も
何度となく危機を免れたのは母の力か

最近、よく言われる
「お母さんに似てきたわね」

そういえば歩くのが好きになった。
刺繍もそうだし、
鎌倉彫を習っていたがそれも真似したくなってきた
煮物の味も似てきたようだ
お店のウィンドウに写る姿は母そっくり
自分でも吃驚することがある

私は怖いので嫌がっていたが
宜保愛子さんがテレビに出るとよく見ていた
最近、自分一人でも見れるようになってきた

もしかしたらこれが母だと判る合図だろうか
そこが話せないだけにもどかしい

 いや待てよ。
あの時の母の一言が気にかかる
  「乗り移っちゃうぞー」

 おか〜たま〜〜 いや〜

最近、左の肩が重くて重くてたまらないのは何故なんだろう