将軍の十八番(おはこ)

お客様が来て気分がよいと将軍様は唄い出す
「ザ・ザッザ・ザ」今で言うアカペラ
 自分で伴奏から始める

カンツォーネ<帰れソレントへ>
将軍の十八番  これから始まる

「ここ三浦半島はこの曲と同じ気候で、海があり山がありそこでオレンジがなる
そんなところから今日はこの曲を」
と解説するが私が知っている限り最初はいつも
この曲だ

親戚が集まったあの時もこれだった。
それぞれに年を重ねて親戚一同が会う回数も減ってきた


うるわしの海は〜 うつつにも夢む〜
君の声のごと わが胸をうつ  

「これは相手を思うと胸が切なくのを表していて」
ザ・ザッザ・ザ
オレンジの園は ほのかにも香り
恋になげく子の 胸にぞしむよ
「オレンジの香りが切なく胸を差すのよ」
あわれ君は行き われはただ一人

「恋人が去って自分一人残ったいう意味ね」
ザ・ザッザ・ザ
なつかしの地にぞ 君を待つのみ
「君というのはきせちゃん(母の名)の事ね 
ザ・ザッザ・ザ
かえれよ われを捨つるな
かえれソレントへ かえれよ〜

ザ・ザッザ・ザ



途中、解説が幾度となく入るので1曲が長い

「兄さーん いいわ うまいわねえ」
「もう1曲 唄ってくれー」
「いやいやいや〜 それじゃ手拍子よ 皆さん」


次はダークダックスの
<山の友によせて>

薪割り飯炊き小屋掃除
グ・・
みんなでみんなでやったっけ
グスグス・・・
雪解け水が冷たくて
苦労したことあったっけ

グズグズグググ・・・
今では遠くみんな去り 
グググ・・・
友をしのんでグググ・・・仰ぐ
ググ・・
ググググググ・・


泣くのである。
唄いながら泣いている
これを唄うと独身寮生活を想い出すとかでいつも泣く

「これは人生の唄なんだ
辛いこともあったけど、雪解け水の如く流れて友を偲ぶ唄なんだよ」
グググ・・・

最後は
ダークダックスの<ともしび>
で締めくくられる

泣きながら唄う将軍
もらい泣きしながら手拍子する兄妹

こうなるといつもどうしていいのか判らなくなる
「ガチョーン」と私が言ってもしらけるだけ
ずっと下を向いて修まるのを待つしかない

静まりかえると 将軍様が
「サー手拍子手拍子 湿っぽくなったらダメだ
次は童謡でもいくか〜」

誰が湿っぽくさせているのか自分では気が付かない
75を迎えた我が家の将軍
いつまで元気な歌声が聞けるのか

最近、密かに「世界の民謡全曲集」を買い込んできた
朝晩 うがいはかかさない