将軍の子育論1


どこの夫婦を見てもそれぞれにバランスがとれているものです。
片方がせっかちなら片方がのんびり
片方がおしゃべりなら片方は無口

カトペー家は将軍は過保護 御台所(母)は放任
いつも「勉強しなさい」というのは将軍
「恥をかくのは自分だから」というのは御台所

大人になってから聞いた話だが
将軍はカトペーが3才位まで可愛さのあまり
私の靴紐さえも結んでいたらしい
それを見て御台所はあきれ果ててしまったと

案の定 幼稚園ではボタンがはめられず
スモックの前は御台所のお手製マジックテープだった

こんな事ではいけないと方針を変えようと試みたが
「大人になったら出来るんだから!!」
カトペーよりも将軍の方に手間取って無理だと悟ったらしい


学生時代はお友達を自宅に泊めるのはOK
しかし私が泊まりに行くのは許されなかった
友人と海へ海水浴に行くと話すと
溺れたら大変だ・チンピラに声かけられたらどうするんだ
と前日に口論になりプールになった。
プールならどうして大丈夫なのか疑問だが

お出かけは子供は白のブラウス・紺のスカートが一番良いと
将軍の好みで決まっていた
年頃になって濃い口紅をすると「赤過ぎる」といわれ
友人との旅行も21まで許されなかった。
20歳では駄目で21だとどうして良いのか

そこが将軍の子育論の不思議な所だ。

そんな抑制された生活で人並みに反抗期はあったものの
家庭内暴力もなく、よく不良にもならなかったと思うが
本人がよっぽどのんきなのか、御台所のフォローがよかったのか
天真爛漫すぎるぐらいに育ったと思う。
その完成品が今のカトペーであるが
楽天さとせっかちさが同居する変てこな性格になった

それは子育て法が間違っていたのか
本人の努力が足りなかったのか

こんな事ではいけないと家族会議を開いたこともある
が 
カトペー家の方針だ!!
それ以来
諦めてそれなりにやっていこうと私自身が悟りを開いた。

昨年入院した際も心配で心配で一緒について来ると言う。
いい歳をして入院するのに熱や歩けないほどではないのに
親に付いてきてもらうのも恥ずかしい。
「いいよ大丈夫だから・・・荷物はダーリンが運んでくれるし」
「そうか・・・それじゃ俺は午後から一度行くよ」

病棟に入り看護室の前で血圧・病歴などを話していて
何気なく横を見たら 将軍がいた
私が出かけてから電車に乗って来たらしい
急なことで血圧が又上がった。
ソファーに座りながら心配そうにこちらを見ている。
おもむろに私に寄ってきて
何をいうのかと思えば
「看護婦さんにお話を聞いてもらうんだから
背筋をちゃんと伸ばしてはっきり大きな声で答えなさい」

手術当日 家族の方は部屋でお待ち下さい
と言われたにもかかわらず心配で心配で
手術室→病室→手術室をウロウロして
ダーリンに「落ち着きなさい」と叱られた。

看護婦さんは苦笑いをしていたがとても恥ずかしかった。
それから病棟では名物じいさんになったのは言うまでもない


子供は幾つになっても子供と言うけれど
ちょっと度が過ぎてはいないだろうか

愛情をいっぱいもらってありがたいことだが
将軍の辞書には
「可愛い子には旅をさせろ」という言葉はないようだ

「目に入れても痛くない子供は桐のタンスに鍵を掛けてしまっておこう」
と書いてあるるのだろうか

きっと私は防虫剤の臭いをプンプンさせて歩いていたようだ
おかげさまで適齢期を過ぎても悪い虫はつかなかった